野嶋一生 竹中木版彫師/ 木版画作家

木版画彫師・作家 野嶋一生

文字から絵画までいかに美しい線を切り出すか日々研鑽する

野嶋一生

野嶋一生 のじまかずき
竹中木版彫師、木版画作家。

美術系高校で洋画を学んだのち、竹中健司が講師を務めた大学で木版画を専攻。卒業後、熱心な制作姿勢が認められ木版印刷の彫師として竹笹堂に入社。名門菊田流木版彫刻を継承する現代の名工・彫師藤澤洋氏に伝統的な彫刻術を学び、その技術を磨く。浮世絵木版画や現代版画などを多数手がけるほか、仏画や護符御札など仏教版画の修復・新調彫りにも携わり、木版印刷のあらゆるジャンルの彫刻技術に精通している。

木版画職人として、竹笹堂木版画教室講師のほか、日本のみならず世界でもワークショップ・実演・レクチャーを実施し、木版技術の流布及び木版業界振興の一端を担う。

一方、木版画作家として、独自の作風の作品を発表。また、幼少期から培った美的センスとデッサン力で、ゲームキャラクターの浮世絵や焼酎ラベルパッケージなどのデザイン提案も行う。

木版印刷職人 竹中木版彫師 野嶋一生

原画の線の強弱、かたちの流れを小刀(こがたん)の刃先に感じ淀みなく彫る。

師事する現代の名工・彫師藤澤洋氏から「例えば、筆文字は単調ではなく力強い筆の表があればしなやかな筆の裏がある。その筆づかいを小刀で刀(とう)入れする時には、線の流れの自然さを心がけるように」と菊田流木版彫刻の技術を受け継ぐ野嶋。
伝統木版画と京版画の系譜を継承する竹中木版では、正確な技術と表現に対する理解力と知識を持つ唯一の彫師として、原画を精密に再現する木版彫刻を行なっている。版下絵から切り出すシャープなラインと滑らかにさらえた版木は、摺り職人の作業を格段に捗らせる美しさがある。

幼少から描き続けるデッサン力は、自作木版画作品はもとより、仏教版画の復刻や新作浮世絵の作画に活かされ、木版印刷における絵師と彫師を兼ねる数少ない職人のひとりとして活躍する。

竹笹堂の木版印刷

嵯峨本謡本復元 木活字彫り

武蔵野美術大学造形研究センターによる古活字版「三井寺」の復元プロジェクト。当時の木活字や摺刷盤が実存しない中、木活字のディテールや組版の再現を技術面で参画。復元した木活字はおおよそ2,000文字に及ぶ。

古版木復刻 「嵯峨本謡本の美を探るー古活字版『三井寺』の復元プロジェクト」 

竹笹堂の木版印刷

ホノルル美術館所蔵 歌川広重「名所江戸百景 亀戸梅屋舗」復刻限定版

ホノルル美術館所蔵の浮世絵作品を108%拡大サイズで復刻。原画から全ての線と色分けを描き取り版下絵を作成し、版木を彫る。

浮世絵作品「亀戸梅屋舗」

竹笹堂の木版印刷

西宮神社「えびす大神御神影札」版木 復刻

古御神影札から筆の強弱などの表現も読み取り版下絵を描く。緻密な線や表情を正確に彫刻し、ふくよかなえびす様のお姿が蘇る。

版木復刻 西宮神社「えびす大神(西宮神影)御神影札」

竹笹堂の木版印刷

AIUEO Kyoto Project

AIUEOの「かわいい」×「京都」×「伝統」。AUIEOデザイナーが描く柔らかな線が特徴のイラスト原画を丁寧に正確に彫る。

AIUEO Kyoto Project×竹笹堂

木版画作家 野嶋一生

木版画作家 野嶋一生1

木版画「OKURIBI」

対象を直線的に捉え、デフォルメを加えた描写が印象的な作風。鳥瞰図的に描いた京都の風景作品は人気。

野嶋一生木版画作品一覧

木版画作家 野嶋一生2

浮世絵 レインボーシックスシージ「火花」

作画と彫りを担当。繊細なタッチで凛とした佇まいの着物姿の美人画に描く。

木版画制作 浮世絵「レインボーシックス シージ 火花」

木版画作家 野嶋一生3

万膳酒造 山小舎の蔵「萬膳 ノロシ」

鹿児島県霧島市の焼酎メーカー万膳酒造の新酒無濾過「万膳 ノロシ」ラベルデザインの原画を担当。

デザイン提案 万膳酒造 「萬膳 ノロシ」ラベルデザイン


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