木版画を研究分析して埋もれた技術を再発見
新しい技術に転換しさらなる発展をはかる
古来日本で受け継がれてきた印刷技術である木版印刷を後世に残すためには、その技術の保存や資源・材料の安定供給に関する「知識」が欠かせません。
竹笹堂では、生業としてきた木版印刷の表層だけでなく根幹に触れるためにミッションを掲げて様々な分野から研究を行っています。
継承:昔から伝わる木版商品や作品を作り続ける。
再興:古の木版技術や歴史を発掘・研究してアーカイブする。
開発:新しい木版の形を模索し、時代に沿ったもの作りを行う。
流布:木版に関わる工芸を新しい魅せ方で広める。
整備:想いと持続的な発展を実行するための環境を作る。
研究体制
京都に根付く伝統工芸の輪
歴史深い京都、同じ時代同じ環境で互いに技術を研鑽してきた工芸の数々。異業種間で情報交換し、点在するヒントから発見の輪を形成することで答えを導き出します。木版業界だけでなく工芸全体が研究フィールドです。
学術的研究・教育機関
天然資源や化学的原料など様々な資源を用いて木版画は制作されています。それぞれの成分や原料を化学的に分析し、多数の木版画が埋蔵されている美術館・博物館、大学などと連携して失われた技術を探索しています。
研究分野・内容
過去の調査研究・技術開発事例一覧
- 2018年
- 「ホノルル・ミュージアム・オブ・アート」(略称:ホノルル美術館)所蔵
歌川広重作「名所江戸百景 亀戸梅屋舗」色違い作品検証のための復刻 - 2017年
- 木版画教典「百万塔陀羅尼経」復刻と和紙の「黄檗染め」の再現
- 2016年
- 武蔵野美術大学造形研究センター「日本近世における文字印刷文化の総合研究」研究プロジェクト
木活字・料紙制作・組版・印刷の復元 - 2015年
- 産学連携による浮世絵技法の復元的研究のための技術開発
- 2015年
- 木版印刷の歴史をたどるシルクロードプロジェクト Vol.1韓国
- 2014年
- 世界に眠る日本の木版画版木を発掘する旅
- 2012年
- 横浜手摺り木版ハンカチの制作技術を復刻
- 2012年
- 木版印刷における環境調査・整備「和製天然素材を後世に伝える100年計画」
- 2009年
- フランス某所所蔵の江戸期の古版木を現地で調査、浮世絵大家の作を発見
- 2008年
- 合板版木を使った浮世絵木版画製作技術の開発
- 2006年
- 国際浮世絵学会にて竹中健司が「木版における合羽摺り技法」を発表
- 1999年
- 愛媛県で発見された歌麿オリジナル版木を現地で調査・復刻摺り
- 1991年
- 仁和寺所蔵「国宝 孔雀明王像」大型木版摺り技術を復刻、新技法の開発