版木復刻 野邊野神社(久居八幡宮)「剣先御神札」
神仏習合の時代のものとみられる貴重な御神札の復刻
三重県津市久居にある野邊野神社につたわる御神札の版木復刻をご依頼いただきました。
野邊野神社は、寛文10年(1670)に八幡大神を守護神として久居八幡宮が鎮座されたことから始まり、その後、明治41年(1908)の合祀令により村内23社が合祀され、土地の旧名にちなみ野邊野神社と改称され現在に至ります。
ご依頼いただいた「剣先御神札」は、平成30年(2018)神社の調査整理が行われた際に発見され、「佛法僧寶」の印があることから、明治以前、神仏習合の時代のものと推察されます。版木は残念ながら現存していなかったため、御鎮座350年を期に社号が久居八幡宮に変わる記念事業の一環として、また、2018年が神仏分離から150年の節目であったことから、版木を新調されました。復刻された御神礼は、当時の仕様に準じた手摺り御神礼として授与されています。
版木が現存しなくとも、古札そのものの写しから復刻も可能
江戸時代のものとみられる御神札
保存状態がよく鮮明に残る墨刷りの文字
版木彫刻の様子(イメージ)
御神札の文字や由来などの詳しいヒアリング後、原本を元に版下を作成し、忠実に彫刻
復刻概要
- 内容
- 野邊野神社所蔵 「剣先御神札」版木 復刻
- 作者
- 不明
- 原本制作時期
- 江戸時代
- サイズ
- タテ約17cm×ヨコ約4.5cm×厚さ約2.5cm(版木)
- 作業内容
- 山桜板 単色墨摺1版1枚/版下作成・版木彫刻・試し摺り
- 制作期間
- 約2週間
野邊野神社(久居八幡宮)
三重県津市久居に鎮座する神社。主祭神に八幡大神(譽田別命)が祀られている。
久居開闢にあたり寛文10年(1670)初代藩主藤堂高通公の命により領内小戸木村の八幡宮が現在の地へ遷され、久居八幡宮として鎮座したのが始まり。その後、明治時代の合祀令により周辺の神社が合祀され、明治41年(1908)に土地の旧名にちなみ野邊野神社と改称された。平成32年(2020)御鎮座350年の節目にあたり、社号が旧社名の久居八幡宮に復される。