受注制作・古版木再摺り 虎屋「竹に虎」展 展示品・商品制作

老舗和菓子店虎屋 商業版画企画展 貴重な所蔵版の再摺りや限定商品を制作
老舗和菓子店虎屋が虎屋 京都ギャラリーで行う企画展「竹に虎 -見てたのし、使ってよろしい商業版画-展」(2018年4月21日〜5月20日)で展示される、古版木を用いた再摺り版画とオリジナル商品の制作、ならびに展示協力を行いました。

室町時代の後期に京都で創業した虎屋では、虎屋菓寮京都一条店に隣接する虎屋 京都ギャラリーにて、所蔵品の展示や京都の工芸や美術にまつわる企画展を不定期で開催しています。
第17回目となる本展では、「竹に虎 -見てたのし、使ってよろしい商業版画-展」と題し、かつて菓子をはじめ、食べ物の掛紙や包装紙に多く用いられていた商業印刷の木版画に着目し、現在も虎屋で使用される、文人画の巨匠、富岡鉄斎図案の掛紙や、秘蔵の版木から再現した木版画や当時の広告を展示しました。
竹笹堂は虎屋所蔵版木の再摺り、本展会期中に使用・販売されるオリジナル品の制作、竹笹堂が制作している多種多様な木版印刷を展示品としてご提供しました。
老舗の歴史を物語る数々の古版木・版画 今に息づく商業版画の世界を展示
虎屋創業からの長い歴史の中で、多数の商業版画・木版印刷が制作されました。本展では虎屋が所有する貴重な版木を再摺りし、富岡鉄斎図案の掛紙、店の所在地などを示したお品書きなどを展示品として制作しました。

富岡鉄斎図案の掛紙
現在使用されている機械刷り掛紙の元となった掛紙を、原版を使用して手摺りで再摺り。

江戸期製の所判版木
江戸時代に使われていた、所在地を示す札が複数彫られた版木。原版を使った再摺り。

大正時代のお品書きと広告
長年詳細不明とされていた店舗の住所やメニューが、お品書きと広告の版木の再摺りによって解明された。

竹笹堂の所蔵品を展示
木版画制作に使用される道具や、竹中木版が代々制作してきた商業印刷物を展示。
木版画と和菓子の新しい出会い オリジナル作品を含む期間限定グッズを販売
本展会期中に、虎屋菓寮京都一条店と、とらや 京都一条店では、季節の和菓子を描いた和菓子ポストカードの販売や、ご進物用に原田裕子がデザインしたオリジナルの和菓子尽くしの木版画掛紙サービスが行われました。また、同菓寮では、和菓子見本としてメニュー挿絵にポストカードが採用され、実際にお客様にご覧いただき、お菓子は虎屋のシンボルマークの虎を木版摺りした懐紙で提供されました。

木版画の和菓子ポストカード
会期中販売される季節の和菓子全13種を、木版画の和菓子ポストカードとして制作。

菓寮お品書きに使用
菓寮お品書き挿画にポストカードをそのまま使用、手摺りの温かみ伝わる仕上がりに。

お品書き装丁も木版画使用
お品書きの表紙には、竹笹堂の手摺り木版和紙の特別装丁で華を添える。

「竹に虎」特製菓子袋
季節の羊羹を5本セットにした限定品の包装に「竹に虎」版画の袋を使用。

手摺りオリジナル掛紙
原田裕子デザインによる和菓子尽くしの木版掛紙サービスも行われた。
京の伝統工芸と京の甘味が融合 「和菓子と伝統産業のおいしい関係」を楽しむ

本企画展は、2017年9月22日から10月1日まで同じく虎屋 京都ギャラリーで行われた京都の伝統産業を継承する若手職人の会「京の伝統産業わかば会」合同企画展「TRANSMIT -和菓子と伝統産業のおいしい関係-」に竹笹堂の若手職人が参加し、好評を得たことから企画されました。
「TRANSMIT」展では、老若男女問わず身近な誰かに伝えたくなる和菓子の設えをコンセプトに、「季節の和菓子に合う器」、「和菓子を食す設え」、そして「羊羹のパッケージ」の3つの視点で、京都で育まれる産業による様々な作品が創作され、竹笹堂は四季の美しさを取り入れたオリジナルデザインによる木版画の化粧箱、竹皮包羊羹用・小形羊羹用それぞれの包装、そして虎屋の代名詞とも言える虎を描いた懐紙を制作しました。

「虎」のロゴが光る木版包装
「鐶虎」と代名詞の「躍動する虎」を包装や懐紙に摺りあげ、若手職人の感性と伝統が交差する。

古版木を使用した再摺り
過去に竹中木版が摺りのご依頼を承った「鐶虎」版木を再び使用し、現代の職人が摺りを施す。
制作概要
- 内容
- 竹に虎 -見てたのし、使ってよろしい商業版画-展 関連品制作
古版摺り(富岡鉄斎画「竹に虎」他多数)
木版和菓子ポストカード(全13種)
原田裕子オリジナル掛紙、虎ロゴの懐紙、菓子袋 - 受注分類
- 古版木摺り・展示企画・オリジナル商品企画・受託製造(OEM)
- 制作者
- 木版画制作・加工:竹笹堂 / 監修:虎屋
- 仕様
- 手摺り木版画 / ポストカード加工 / 袋加工
- 制作期間
- 約4ヶ月
展覧会概要
- 展覧会名
- 竹に虎 -見てたのし、使ってよろしい商業版画-展
虎屋 京都ギャラリー第 17 回企画展 - 場所
- 虎屋 京都ギャラリー
上京区一条通烏丸西入広橋殿町400 虎屋菓寮京都一条店横 - 会期
- 2018年4月21日(土)~5月20日(日)
10:00~17:00 会期中無休 - 入場料
- 無料
- 展示品
- 虎屋所蔵品
所蔵版木(元文元年(1736)の版木・「虎屋茶菓舗」品書きほか)とその再現
版画の菓子見本帳(京都学・歴彩館蔵)、多色摺りの菓子袋ほか
竹笹堂所蔵品
多色摺りの短冊や掛紙、団扇、扇子、便箋、ぽち袋、木版画作品など
株式会社 虎屋
室町時代後期の京都で創業し、五世紀にわたり和菓子屋を営む。後陽成天皇の御在位中(1586〜1611)より、御所の御用を勤め、明治2年(1869)東京遷都にともない、京都の店はそのままに東京にも進出。現在は直営店のほか全国百貨店、海外への出店、菓寮・喫茶の運営、文化拠点としてギャラリーを開くなど幅広く事業を展開し、和菓子の老舗として高い支持を得る。