受注制作 レオ・レオニ絵本作品木版画

大人になっても忘れられない 心に残る絵本のワンシーンを京版画の技法で再現

創造力を刺激する色彩豊かな絵本が世界中で人気のレオ・レオニ。日本では、「スイミー」「フレデリック」などが、小学校国語の教科書に掲載され広く親しまれています。
弊社は、2018年夏、株式会社表現社 cozyca productsによる企画のもと、「スイミー」の最も有名な場面の木版画制作を手掛けました。熟練の職人たち、人の手によるすぐれた技巧により、レオ・レオニの物語に登場する生き物たちの生命力や美しい世界観を十分に伝える作品が完成しました。

職人の高度な技法も作品のみどころに

スイミー制作風景

今回、再現性の課題となったのは、レオ・レオニ独特の様々な道具を用いた複雑な色彩描写。幾重にも淡い色を重ねた美しいトーンの海や繊細な濃淡で立体感を表した群れる魚たちを何枚の木版に分けて表現するか、彫師は作品に使われている色を読み取り、摺師とも慎重に話し合いながら作業を進めました。まとまった数量を制作する場合、再現性を高めながらも、いかに作業効率のよい工程を組み立てるかは、彫師の版の分け方によって決まります。
水中の柔らかな光の動きまでみえるような海は、たらしこみぼかしという高度な摺り技法で表現しました。浮世絵木版画のグラデーションにみられるこの技法は、版木の上で絵具と水の量を微妙に調整し小さな板を使いのばしていきます。形のない色の表現法は、熟練した職人の目でないと見極められません。
受け継がれてきた技により新たな魅力をまとった物語をご覧ください。

レオ・レオニ木版画作品

技法「板ぼかし」

やわらかな濃淡
「たらしこみぼかし」

刷毛のほか、布を巻いた板を使用。摺り上がりをイメージし版木の上で絵具と水分を調節して濃淡をつくる技法。

レオ・レオニのサイン

レオ・レオニのサイン

まるで作者の直筆のように精細な木版技法で摺られたサイン。肉筆に迫るリアルさは木版画の凹凸ならでは。

エディションナンバー入り

エディションナンバー入り

作品1枚ずつに手書きのエディションナンバー入り。


制作概要

制作品
レオ・レオニ木版画作品「スイミー」
作者
レオ・レオニ(原画) / 竹笹堂(木版画制作)
制作元
株式会社表現社 cozyca products
サイズ
大判錦絵 約39cm×27cm
技法
京版画
限定数
200枚
制作期間
およそ3ヶ月(木版画制作のみ)

Leo Lionni

1910年オランダ生まれ。イタリアで暮らした後、米国に亡命。イラストレーター、グラフィックデザイナーとして成功をおさめる。その後再びイタリアへ帰国し、1999年イタリアのトスカーナで生涯を終える。
「スイミー」「フレデリック」「アレクサンダとぜんまいねずみ」3作品でカルデコット賞、その他受賞多数。NYで活躍していた49歳の時、孫のために作られたのがレオニ最初の絵本「あおくんときいろちゃん」。その後も「フレデリック」をはじめ数々の絵本を発表し、日本でもその多くが翻訳出版され人々に愛されている。
http://www.leolionni.jp

cozyca products

昭和8年に設立した京都の和文具メーカー「表現社」が、2013年に社内ブランドとしてcozyca productsを設立。
より多くの人に作家のデザインを楽しんでもらい、またブランドが作家自身の活躍の場となり、さらに若手作家の希望にもなるようにという思いのもと作家とのコラボレイト製品を発表している。
http://cozycaproducts.net




Copyright © 2018 by Blueandyellow, LLC Licensed by Cosmo Merchandising


ページ
上部へ