木版画制作 服部しほり×京版画「鶏図」

京都に受け継がれる伝統 新進気鋭の作家と職人の技が一つの芸術に
日本画の若手作家として注目を集める服部しほり氏の作品「鶏図」を、竹笹堂の職人の手によって木版画化いたしました。

数々の展覧会で名を馳せる日本画家、服部しほり氏が描いた肉筆日本画作品「鶏図」が、京都で1200年以上培われてきた京版画の技法によって木版画として新たに生み出されました。
京都を中心に活躍する服部氏にとって初となる木版画化にあたり、同世代の木版画職人たちが制作に参加し、脈々と受け継がれる京都伝統の美意識が融合した作品が生まれました。
題材となったのは2017年の干支「酉」のモチーフであリ、服部氏がライフワークとして書き続けている鶏。睨みのきいた精悍なる佇まいが巧みな筆捌きによって描かれ、画中に見られる墨の雫が筆運びの大胆さを物語ります。
服部氏の豊かな感性で表される世界観を、日々実直に木版画に向き合い技を研鑽する若き職人たちの手しごとで表現しました。
日本画と京版画の融合 同世代の職人が魅せる服部しほり氏の世界
木版画化にあたり本画から再構成された図は、色の濃さに合わせて版が彫りわけられ、高度なボカシ摺りの技によって筆のにじみが表現されており、筆跡そのものを再現する京版画の技の数々と彫師摺師の創意工夫によって魅力ある作品に仕上げました。

色の濃淡を表現
筆跡や墨、色彩の濃淡を、絶妙な摺り加減で幾重にも版を重ねて表現する。

筆跡そのものを再現
筆からこぼれた雫や薄墨の広がりが精巧なボカシ摺りによって描かれる。

職人の技が溶け合う
彫師野嶋一生、摺師森愛鐘が受け継ぐ伝統と服部氏の才能が出会った。
制作概要
- 作品名
- 服部しほり×京版画「鶏図」
- 作者
- 絵師 服部しほり氏 / 彫師 野嶋一生 / 摺師 森愛鐘
- 版元
- 蔵丘洞画廊
- 発表日
- 月刊美術2016年12月号紙面にて発表
- 仕様
- 手摺り木版画 / 14版18度摺り / 29cm×18.3cm / 手漉き越前奉書紙
- 販売価格
- 各 64,800円 (額装込み) ※竹笹堂での取扱はございません。
- 限定数
- 115枚
服部しほり
1988年京都生まれ。京都市立芸術大学・大学院にて日本画を専攻。幼少より鍛えた書道の腕を以って在学中より類まれなる才能を発揮し、独自の世界観を描き出す。京都・岐阜・東京を中心に個展・グループ展を多数開催し、精力的に活動する。現在の日本画壇における注目の若手作家として実力を高く評価されている。