環境保全プロジェクト「和製天然素材を後世に伝える100年計画」

版画と天然資源

日本の伝統工芸と循環型のものづくり

自然素材の手漉き和紙

日本には古くから伝わる多彩な伝統工芸があります。その伝統工芸で使用される素材や道具などは時代の移り変わりとともに様々に変化してきましたが、ひと昔前までは、全て国内で生産される天然素材で成り立っていました。
海からは海草・貝・魚、山からは石・竹・樹木・動物などを素材とし、加工することで絵具・安定剤・道具などを作り出してきました。自然の恵みをいただき、最大限に活かすことで”循環型のものづくり”をしてきたのです。
ところが今日、伝統工芸全体の後継者減少に伴い、天然素材の需要が減少しており、素材を供給する業者の廃業に繋がっています。また、今まで人間が手を入れることで保ってきた自然界のバランスが崩れ、津々浦々で山の荒廃などの問題が大きくなっています。
”自然を壊さず共存共生できる社会”を保ってきたものづくりの大きなバランスが崩れてきていると言えます。

竹笹堂の木版画印刷にも、自然の恵みから作られる良質の和製天然素材が必要ですが、現在では安定した供給が難しい状況になっています。100年、1000年と技術を伝える為には、日本の天然素材を絶やさない努力が必要です。
竹笹堂では、伝統工芸や伝統芸能の100年後の後継者が利用するための自然素材を残す環境作りや、地域とのつながり町づくりにも取り組んでいます。

木版に関わる環境づくり

美山の山桜植林

美山での山桜植林

京都美山に続く茅葺き家を臨む丘陵地に、版木となる山桜の植樹を行う。

手植えの田園

昔ながらの田植え

水糊のもととなるお米の稲を一本一本手で植えることで地域と食に関わる。

竹林整備

放置された竹林整備

バレンを包む竹は、放置竹林を整備し、管理することで安定した資源供給を行う。


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