竹中清八 竹中木版四代目摺師・現当主 / 木版印刷研究者

木版画摺師・研究者 竹中清八

長年の経験と知識をもとに、確かな木版印刷技術の腕をふるう

竹中清八

竹中清八 たけなかせいはち
竹中木版四代目摺師・現当主、木版印刷研究者。

竹中木版は木版印刷工房として明治24年創業し、伝統木版画における「摺り」を生業とする。竹中清八は竹中木版の四代目摺師・現当主である。

15歳より職人としての修行を重ね、竹中木版三代目のもと多くの木版画作品や浮世絵の制作に携わってきた。
長年の鍛錬により卓越した技能を身につけると、摺りの名手として伊藤若冲、前田青邨、円山応挙、小倉遊亀、竹内栖鳳など日本画壇の巨匠たちの原画による木版画の摺りを手がけた。
木版印刷の制作では、老舗料亭や和菓子処の包装や京扇子・京うちわなど、何百年もの間京都の各地で続けられてきた様々なものづくりの一端を担う。

摺りの第一人者として手がけた作品は、貴重な歌麿オリジナル版木「狐釣之図」、「蹴鞠之図」の復刻摺りなどが挙げられる。また全精力をかけた大作としては、京都仁和寺所蔵の国宝「孔雀明王像」の世界最多1300度以上の摺り復刻作品が有名である。

また、京都木版画工芸組合理事長、京都版画出版協同組合理事、浮世絵木版画彫摺技術保存協会前京都支部長を務め、木版印刷の研究・保存・継承に尽力する。

竹中は半世紀以上にわたる木版画業界での功績を讃えられ、平成15年には「現代の名工」として厚生労働大臣より賞を授かり、また平成17年には「黄綬褒章」を今上天皇より授与された。

木版印刷職人 竹中木版四代目摺師 竹中清八

木版業界の第一人者としてあらゆる技術を駆使する現役の職人

竹中木版現当主である竹中清八は、喜寿を迎えた現在も現役の職人として一線で摺りの現場に立つ。正確かつあらゆる表現に精通するその知識から、木版印刷の第一人者として高度な摺り技術によって数多くの木版印刷制作物を世に生み出している。

「何千何万も同じことを正確に繰り返し行うためには、準備と鍛錬をおこたらないことが重要である。そして、固くなりすぎず穏やかな気持で版木に向かう。」
こう説く職人竹中清八の手には摺りだこと深いシワが刻まれ、長い経験から得た言葉であることを静かに物語っている。

摺師竹中清八の木版画制作・復刻例

1200年もの間、様々な形で作り出されてきた木版画は、劣化破損や版木の表面を削りなおして別の彫刻を施すなどして多くが失われ、当時そのままのオリジナル版木は非常に希少となっている。それらは摺りに耐えうる状態のものはごく僅かであるため、原版による復刻は経験と知識とバレンから伝わる感覚からなせる高い技巧が必要である。

竹中清八は、摺師の中でもオリジナル版木による摺りを行える技術を持つ非常に数少ない職人の1人である。特筆すべきは、江戸時代人気を博した美人画絵師「喜多川歌麿」による浮世絵の復刻摺り。数千もの歌麿作品は現在世界に4枚しかオリジナル版木が残っておらず、竹中はそのうちの「狐釣之図(2枚)」、「蹴鞠之図(1枚)」、の3枚の復刻摺りを手がけた稀有な存在として木版技術探求・発展に貢献した。

また、竹中の技術の粋を集めた大作に、実現不可能と言われた世界最大級木版画「国宝 孔雀明王像」の復刻があげられる。
本来木版画は、材料、工程全て人の手を介して行われるものであり、大きさは手幅のうちで作られるものである。しかし、この「孔雀明王像」は畳一畳にもなる、木版画では世界最大級の大きさを誇り、描かれる多彩な模様は、一枚ごとに1300回を超える摺り工程を要する。
過去に作られた木版画を丹念に調べ、彫師の神業とも言える彫刻と、竹中独自の摺り技法を編み出すことでこれらの難解な壁を乗り越え、1年という歳月をかけて現代にその姿を蘇らせる事となった。

竹笹堂の木版印刷

歌麿「狐釣之図」原版

美人画の名手喜多川歌麿の三枚一組のうち、現存する二枚の貴重なオリジナル版木を、劣化した状態から巧みに摺りあげた。
(愛媛・歌麿館所蔵)

竹笹堂の木版印刷

歌麿「蹴鞠之図」原版

柱絵として大板に刻まれた美人図。喜多川歌麿の現存する貴重なオリジナル版木を、丁寧に摺って現代によみがえらせる。
(鳥取・渡辺美術館所蔵)

小山登美夫ギャラリー依頼作品

国宝「孔雀明王像」復刻

1色ずつ1300回を超える摺りを施す畳一畳分もの類を見ない世界最大級・最多色の木版画作品を1年の歳月をかけて復刻。
(京都・仁和寺所蔵)

木版印刷研究者・指導者 竹中清八

数多くその手から作り出されてきた作品は、竹中独自の研究による表現方法が散りばめられており、代々家業として一子相伝で守られてきた竹中木版の歴史に師弟制度を導入した。血筋だけでなく、技術習得での伝統継承を行うことよって、木版業界の従事者の増加や、若手による新たな創造、木版印刷の振興流布に貢献している。

竹中清八の技術研究

技術研究による作品の復古

日本各地に眠る古版木の復刻摺りや、古版画研究を行って失われた技法の復活・開発を手掛ける。

竹中清八の木版画指導

後継育成・技術継承の木版指導

木版画業界における若手職人の育成や、一般・教育現場での技術普及のため、講演会や直接指導を行う。

竹中清八制作・活動実績

木版画作品
葛飾北斎「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」 / 歌川豊国「七代目片岡仁左衛門」
長谷川小信「大江山鬼人退治」 / ヤン・シュヴァンクマイエル木版画作品
木版印刷
嵐山吉兆 / 芸艸堂 / 木乃婦 / 堺萬 / 松月堂 / 招福樓 / 麩嘉 他多数
受賞
京の名工 / 現代の名工 / 卓越技能者 / 黄綬褒章

竹中清八略歴

昭和26年
父、竹中木版三代目に弟子入りして木版印刷職人として修行
昭和53年
文化庁選定浮世絵木版画彫摺技術保存協会 京都支部長に就任
昭和58年
京都木版画工芸組合理事長に就任
平成2年
世界最大級最多色摺り(1340度数)国宝「孔雀明王像」(仁和寺所蔵)を一年の歳月をかけて復刻
平成11年
愛媛県大洲市で発見された浮世絵師「喜多川歌麿」による「狐釣之図」のオリジナル版木を竹中清八が復刻摺り
平成13年
鳥取県渡辺美術館に保存される浮世絵師「喜多川歌麿」による「蹴鞠之図」のオリジナル版木で竹中清八が復刻摺り
平成15年
長年の木版画摺師としての功労を評され、「現代の名工」に認定される
平成17年
卓越した技能や木版印刷業界の振興活動・後継育成の尽力を評され、天皇より「黄綬褒章」拝受


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