受注制作 ヤン・シュヴァンクマイエル氏原画作品木版画

滑稽な妖怪をシュルレアリスムの巨匠が描き、職人技で木版画に!

世界的なシュルレアリストとして知られ、映画作品や美術造形作品など数多くの作品を手掛けるヤンシュヴァンク・マイエル氏。このたび、弊社は同氏が描いた絵画をもとに浮世絵木版画の制作を手掛けました。
日本の百鬼夜行絵巻を意識した妖怪と、同氏が独自に生み出した妖怪からなる絵柄で、描かれた下絵8枚のうちから3作品が木版画化。3作品のうち2作品を竹笹堂が制作し、京版画の技法で氏の世界観を表現しました。

制作現場にヤン・シュヴァンクマイエル氏来訪、京版画の技巧に驚嘆

竹中清八制作風景

2011年2月、弊社に氏が訪れ、4代目摺師・竹中清八が摺りの腕前を説明を交えながら披露しました。
制作にあたった2作品は筆使いが繊細な日本画のような風合いをもち、京版画の粋を込められました。氏は「原作を忠実に再現するために、一枚あたり約100回にわたる工程を手摺りで仕上げる。」という竹中の言葉とその技術に驚嘆され、その仕事ぶりや木版画の道具などに興味を持たれました。

また本作品をはじめ、「ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展」にてシュヴァンクマイエル夫妻の往年の名作を多数集めた巡回展が開催されます。

国境を越えたコラボレーションによる作品作りを通して、シュヴァンクマイエル氏と交流を深め、伝統ある職人技術と木版画が世界に発信されます。

ヤン・シュヴァンクマイエル氏木版画作品

ヤン・シュヴァンクマイエル氏原画の木版画

木版画作品「No.1」

色の重なりによって複雑な色彩を生み出し、妖怪のおどろおどろしさがアートに変わる。

ヤン・シュヴァンクマイエル氏原画の木版画

木版画作品「No.3」

目をむく妖怪に鉄槌を振り落とさんとする姿に、滑稽さすら感じるユニークなデザイン。

ヤン・シュヴァンクマイエル氏原画の木版画の落款

作品に添えられた落款

氏のサインと共に「珠萬句舞繪鏤」と名前を漢字に当てた落款を添え、作品を引き締めた。

制作概要

制作品
ヤン・シュヴァンクマイエル木版画作品「No.1」「No.3」
作者
ヤン・シュヴァンクマイエル(原画) / 手摺り木版:竹笹堂
制作元
株式会社美エンタジャパン
サイズ
大判錦絵 約39cm×27cm
技法
京版画
仕様
オリジナル落款「殊萬句舞繪鏤」、作家サイン入り
限定数
100枚
制作期間
およそ5ヶ月(木版画制作のみ)

Jan Švankmajer ヤン・シュヴァンクマイエル

1934年チェコスロヴァキア(現在チェコ共和国)プラハ出身。アニメーション作家、映画監督、シュルレアリスムアーティスト。
世界的シュルレアリストとして独特の世界観が広がる作品を精力的に制作。映像作品『対話の可能性』が、国際アニメーション協会のアンケートで、世界短編アニメーション史上No1に選ばれる。コラージュ、オブジェ、ドローイングなど、美術造形作品の創作活動の範囲も、多岐にわたり、多くの現代アーティストに影響を与える。
映画の最新作は、ヴェネチア映画祭に出品された『サヴァイヴィング ライフ』。


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