商品開発「木版画と器 -肥前吉田焼-」

日本の木版画と器作りの深いつながり

器の絵柄を版画で描く

1200年続く日本の木版画が大きく花開き、多様な形で日本国中に広まった江戸時代。木版画の表現・意匠は独自の路線を歩み、人々の生活や芸能を描く浮世絵が生まれました。
その作品作りの中で出てしまった失敗作も、和紙は貴重なため捨てられることなく別の形で利用されました。
当時鎖国されていた中で唯一交易のあったオランダを経て、世界へ輸出される陶磁器。この品を包む緩衝材に使われたのです。
こうして日本の木版画はゴッホを始めとする多くの芸術家の目に触れて価値を見出され、現在も高い評価を得ることとなりました。
日本の木版画が世界へと広がるきっかけとなった「器」との出会い。竹笹堂は各地で作られる「器」と木版画のつながりを改めて見つめなおします。

木版師、佐賀・肥前吉田焼を訪ねる

木版画に欠かせない色彩の一つ「藍色」を塗り、一つ一つ水玉模様が施された器は日本各地で親しまれ、数多く作られてきました。
どこか懐かしさを感じ、一度は手にしたことのあるこの器。現在も手彫りにこだわり作り続ける唯一の窯元が佐賀県・嬉野の吉田地区にあります。
日本ではじめて陶鉱石が発見されたこの場所で400年前から作られてきた肥前吉田焼。美しい白さが際立つ白磁器は、つるりと滑らかな表面に様々な文様を施し作り上げられます。
こちらの肥前吉田焼工房「副千製陶所 寿千窯」さんを竹笹堂 竹中健司が訪れ、制作工程の見学や器作りについて伺いました。

焼成前の成形した肥前吉田焼

形作られた器たち

白い陶鉱石によって作られる美しい器の表面は、凹凸なく整えられ滑らかさが際立つ

器に手彫りで模様付け

模様を一つずつ削りだす

色釉薬をかけた面を一つ一つ丸く手で削りだし、ランダムに水玉模様をつける

水玉模様の肥前吉田焼

焼成され藍に浮かぶ水玉

高温の窯の中で焼成を行うことで、つるりとしたガラスのような輝きを生み出す

デザインの共有で新しいつながりを生み出す

器を木版画に、木版画を器に

器に描かれ続けた意匠を木版画に取り入れ、和紙を素材に表現することでブックカバーとして本を包む「器」に生まれ変わる。

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「包む」を木版画で

一箱ごとに手摺り木版画を施した化粧箱の中に、さらに器を一枚の木版画で包み当時の様子を再現して届けられる。

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制作概要

制作品
肥前吉田焼木版包み 茶碗 / 小皿 / 湯のみ
作者
副千製陶所 寿千窯(器)/ 竹笹堂(デザイン)
販売価格
茶碗:2,600円 / 小皿:3,400円(2枚〜) / 湯のみ:2,200円(各箱付き・税抜き)
サイズ例
茶碗:直径11.5cm×高さ5.5cm 他
仕様
器各種:磁器、木版摺り化粧箱入り
技法
肥前吉田焼 / 手摺り木版画
制作期間
およそ3ヶ月(企画・デザイン・器制作)

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窯元紹介

肥前吉田焼 副千製陶所 寿千窯

佐賀県嬉野・吉田にて肥前吉田焼の伝統を受け継ぐ陶磁器制作工房。この地の器の特徴でもある水玉模様を現在も一つ一つ手彫りでの模様入れを行う唯一の窯元。
嬉野で生産される嬉野茶との関わりから、茶器作りを得意とし、他にも椀や皿なども制作。2010年にはグッドデザイン賞でも受賞されるなど、昔ながらの器作りに現代のテイストを混ぜあわせたもの作りを行う。

肥前吉田焼窯元協同組合 http://www.ktknet.ne.jp/yoshidayaki/


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