商品開発「木版画デザインの沖縄・琉球漆器」

技法の共通点につながりあう日本の工芸

器の絵柄を版画で描く

色の重なりで美を表現する「京版画」と「琉球漆器」。
京と琉球という遠く離れた場所は、ともに王朝の都として栄え、時勢や風土に合わせて豪華な作風の意匠がかずかず生み出されました。

この2つの地で独自の発展を遂げた木版画の「京版画」と漆芸の「琉球漆器」は、異なった工芸でありながら共通の表現法「色の重なり」によって、色彩豊かな作品を得意とし育まれてきました。

そしていま、そのつながりを元に距離や業種を超えたコラボレーションプロジェクトに着手しました。
朱色鮮やかな琉球漆器に、原田裕子の木版画の色合いと意匠の絵柄を漆でカタチ作り、第一弾の作品を「瓢箪花」発表します。

京版画の技法

色重なる京版画の「摺り」

色を和紙に摺り込んだ上から更に色を重ねて層をつくることで、ふんわりと仕上げる技法を持つ京版画は、日本画のような表現を得意とする。

琉球漆器の技法

琉球漆器の色の重なり「堆錦」

漆に顔料を琉球漆器の特殊な方法で練り混ぜ合わせた「堆錦餅(ついきんもち)」を伸ばし、かたどったものを漆の器に貼り付けることで多彩色を可能に。

沖縄の地で育まれた「琉球漆器」

中国漆器の系譜を継ぐ琉球漆器は、漆器の生産に必要な高温多湿な環境に恵まれた沖縄の地で生まれました。器の木地に用いられるは沖縄の花に指定される「デイゴ」。その密度の低さから、軽くて漆を浸透しやすい素材として重宝され、何層にも漆を重ねて高い強度を生み出します。また、塗り重ねられる漆も、太陽から発せられる強い紫外線を受けて、他の漆芸にはない非常に鮮やかに発色します。
これらの素材と環境に恵まれた琉球漆器は「堆錦」以外にも独自の作風が多く、調度品や交易品として珍重されてきました。
今回のプロジェクトに先駆け、竹笹堂の代表竹中健司が現地沖縄を訪れ、琉球漆器工房の「角萬漆器」さんを見学し、その歴史や制作工程、原材料などに触れ、さらなる発想の広がりへつなげました。

制作概要

制作品
琉球漆器6寸足付盛器「瓢箪花」
作者
角萬漆器(器)/ 竹笹堂(デザイン)
販売価格
36,000円(税抜き)
サイズ
直径19cm×高さ4cm
素材
デイゴ材 / 漆
仕様
化粧箱入り
技法
琉球漆器 堆錦
制作期間
およそ7ヶ月(企画・デザイン・器制作)

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制作元紹介

琉球漆器 角萬漆器

創業120余年、沖縄県那覇市で500年の歴史を持つ琉球漆器作りを行う。
その技術力の高さと作品の美しさから、数多く表彰を受け、また明治神宮や伊勢神宮へ制作品を奉納するなど、琉球漆器最古の老舗として伝統工芸の発展振興に寄与する。

琉球漆器 角萬漆器 http://www.kakuman.jp/


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